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番外編 重い想い

作者: 相沢蒼依
last update publish date: 2026-06-06 08:45:35

真琴が、私の腕の中で静かに呼吸している。それだけで、胸の奥がじわじわと熱くなる。研修の喧騒も、団長の顔も、騎士たちの視線も、もうどうでもいい。ここにいるのは、私と真琴だけ。

……それでいい。

私はもともと、独占欲の強い人間ではなかった。護衛は冷静であるべきだし、感情に振り回されるのは未熟の証だと思っていた。

――少なくとも、君に出会うまでは。

真琴は無自覚だ。自分がどれほど周囲を狂わせる存在かを、何ひとつ理解していない。笑うだけで人の足を止める。名前を呼ぶだけで思考を奪う。触れられれば、こちらの理性が先に崩れる……危険すぎる。

私は、腕に少し力を込めた。

「……リオン?」

不安そうな声を聞いて、すぐに腕の力を緩める。

「すまない。驚かせたか」

「ううん……」

そう言って、真琴は額を私の胸に押しつける。

無防備――信頼しきっている。それが、何よりも恐ろしい。

誰にも渡せない。誰にも見せたくない。今日の研修で、はっきり分かった。真琴は「守るべき存在」などという生易しいものではない。

守らなければ、簡単に奪われる。

国や人に。善意という名の無数の手に。

私は真琴
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